内出血とは
内出血はなぜ起こるのか?
鍼治療は鍼を皮膚内部に刺すので稀に内出血を起こすことがあります。
内出血とは皮下組織の中で起こる僅かな出血のことです。
通常、血管壁には弾力があり、鍼が身体に入ると血管の方がよけてくれます。しかし疲労や凝りなどにより血流が悪くなっていたりすると、血管の弾力性が低下し鍼を避けきれず内出血を起こすことがあります。特にお顔は皮膚が薄く、毛細血管が多いため内出血が起きやすく、内出血ができてしまった場合、場所的にも目立ちやすくなります。
内出血は治るもの?
内出血そのものは身体に害を及ぼすものではなく、ほとんどの場合、何もしなくても時間が経過することで薄くなり、通常1週間、長い方でも3、4週間で自然に消えていきます。
内出血が出てもコンシーラーで隠せばそこまで気にならないとおっしゃる方がほとんどですが、同じ方でも疲労が溜まっている場合、症状が強く出ていたり慢性化している場合は、治るまでに時間がかかることもございますので、大切なイベントの直前は美容鍼施術をお控えいただくことをおすすめしております。
東洋医学的に診る内出血
瘀血の状態だと
内出血は出やすくなる
内出血は「瘀血」の状態で起きやすくなります。
東洋医学では血の流れが悪くなり、滞った状態のことを「瘀血(おけつ)」と言います。
血液は身体の組織を作るための栄養素を運び、また不要なものを回収して外に出す役割を果たしているため、身体の増強や修復には血液循環が良好であることが大切です。しかしながらストレスや冷え、運動不足などにより血液循環が滞ってしまうと瘀血の状態となり、様々な全身のトラブルが引き起こされます。
瘀血の状態だと血液も粘度が高まりドロドロとした状態となってしまうため、栄養が届けられず、不要な物質が回収されずに、修復作用が滞ってしまうことから、肩こり、頭痛、月経障害、婦人科系のトラブル、冷え、冷えのぼせなどの症状が起きやすくなります。また血中の栄養状態も悪くなり、血液の色も黒ずんできてしまうことから、お肌のシミ、そばかす、クマ、くすみ、ニキビ、イボなども引き起こしてしまいます。
つまり内出血は血液循環が滞っているという身体からのサインでもあるのです。
内出血が大きく出るときはどのような時?
同じ方でも疲労が溜まっている時は
内出血が出やすい
血液凝固に異常がある方、糖尿病や高血圧、高脂血症など血管が脆くなっている方、血液をサラサラにする作用のある薬を服用されている方は内出血が大きく出る可能性が高く、また治るまでにも通常の方よりも時間がかかってしまうため、美容鍼の施術はおすすめできません。特に出血性傾向のある方は鍼治療自体をお控えください。普段からアザができやすい方、高齢の方、血管が脆い方は内出血が起きやすく、治るまでにも時間がかかる傾向にありますのでご了承の上施術をお受けください。
瘀血の治療にも鍼灸治療は有効です
内出血も重要な身体のサイン
内出血は瘀血の状態の時によく起こりますが、同時に体内の悪いものを外に出し、身体の修復を促してくれるものと考えられており、瘀血の状態が改善する過程に起こるものでもあります。
瘀血を改善するためには気血の流れを良くすることが必要となり、そこで有効なのが鍼灸治療です。
鍼灸治療により気血の流れを促し、瘀血の状態が改善することで、内出血が起こりづらくなるだけではなく、肩こり、頭痛、月経障害、婦人科系のトラブル、冷え、冷えのぼせなどの身体の慢性的な不調、シミ、そばかす、クマ、くすみ、ニキビ、イボなどのお肌トラブルの改善にも有効です。
慢性化していたり、悪い状態が進行してしまっていると効果のご実感までに多少時間はかかりますが、体質改善、肌質改善にも鍼灸による瘀血の治療は有効です。鍼治療をしてお悩みを解消していきましょう。